音ノ音 -Notes of Tone-

モノを通して綴る、日常のキロク

『ファクトフルネス(2018)』: 今こそ身に付けたい「世界を正しく見る習慣」

平日の夜、そして週末、じっくり物事に取り組む時間ができました。

整理しようと思っていた棚を片付けたり、普段はめんどくさくて手を付けない箇所の掃除をしてみたり、読みたいと思っていた本を開いてみたり…

思いの外、落ち着いて日々を過ごせています。

 

 

2カ月ぐらい前に、近所の本屋で見かけてから、AmazonのWish Listに入りっぱなしだったこの『FACTDULLNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』。

これはまさに、こんなご時世にこと読む本だ、と。

 著者のハンス・ロスリング氏はスウェーデン出身の医師・公衆衛生学者。

アフリカでの医療活動に従事する中で、いわゆる「先進国」の人々の「アフリカ」や「発展途上国」に対するイメージや情報が、なかなかアップデートされないことに業を煮やし、ギャップマインダー財団を立ち上げたのだそう。

ギャップマインダー財団のトップページには

Almost nobody knows the basic global facts!

(世界の基本的なコトを知ってる人、ほとんどいないんだ!)

 と、でかでかと書いてあり、このギャップマインダー財団のページでは、本のタイトル「思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」に有益な情報が提供されている(みたいです…全部は見れてません)。

 

 

思い起こせば、皆さんも、義務教育を受けていた頃に、多かれ少なかれ、「アフリカ」や「発展途上国」について学んだはずです。

干ばつや自然災害、伝染病やそれによる貧困…みたいなイメージ、刷り込まれてませんか?

私は、朝の通勤電車やテレビで流れるUNICEFのコマーシャルの印象が強く刷り込まれているのかもしれない…と思いました。

義務教育を受けていた20年近く前から、世界情勢は変化し、医療やテクノロジーも発展しています。

けれど、私たちの世界に対する情報は、なかなかアップデートされていません。

この本では、そんなアップデートされていない私たちの「思い込み」を通して、モノゴトを捉えることに、「ちょっと待った!」をかけています。

ロスリング氏の経験談をベースにしながら、どうして私たちが「思い込み」を持ってしまうのか、そうならない為の心がけは何なのか、をわかりやすく10にまとめています。

結論としては「データを基に」しましょうね、ということなのですが、データを集める・比べる・判断する際の心がけ、が盛りだくさんです。

 

 

最後に、この本がロスリング氏がなくなる前、最後に手掛けた仕事だと書かれています。

読み終わった後、TEDでのプレゼンテーションを見ずにはいられなくなります。


How not to be ignorant about the world | Hans and Ola Rosling

 

世界がうごめく出来事があったら、またこの本を開いて、思い込みを捨て世界を正しくみられるようにせねば…、そう思える名著です。