音ノ音 -Notes of Tone-

モノを通して綴る、日常のキロク

【台所】から覗く人生: 『東京の台所』

最近、『東京の台所 - 朝日新聞デジタル&w』という連載(で、いいのかな?)を読むのにハマっている。

 

色んな人の、色んな人生の断片を【台所】からすくい取った様な記事が、バタバタと生活する中で心地よく馴染んでくれる。

 

いわゆる社会的に【立派な人】とか、【おしゃれな人】とか、目的はなんであれ【努力を惜しまない人】をフィーチャーしたような読み物は、最近疲れてしまう事が多い。

 

自分が無目的に、よくわからないまま、中途半端に努力して、結果何も得られないような気分にさせられるのは、アラサー特有の【焦り】なのかなぁ。

 

 

 

ネガティブ思考はさておき、『東京の台所』は本当にそこら辺にいそうな人の台所【で】、ライターの大平一枝さんが世間話をしている感じだ。

 

生活のTipを聞いたり、おしゃれな食器や、見たことも無いようなブランドの調理道具、目玉の飛び出るような価格の食材を取り上げているのでは無い。

 

本当に、どこにいてもおかしくない様な人々と、おしゃべりしているような内容だ。

 

 

 

そんな中で、思わずほろりときてしまった記事がある。

 

<158>酒と、3週間前に逝った夫と、彼女の話 - 朝日新聞デジタル&w

 

タイトルの通り、夫を亡くした妻へのインタビューなのだが、そのやり取りがリアルで、愛おしくて、もらい泣き。

 

生きるって。

 

暮らすって。

 

こんなにも切ない事なんだな、と。

 

 

 

冬はどうしても、切ない言葉に反応しやすい。

 

疲れが溜まるのか、日が短いからか。

 

夏にはきっと、違う【台所】に思い入れを持っている気がする。

 

それまでずっと、この連載を通して、人の台所を覗き続ける... かな。