時間を持て余すということ
2020年3月31日、火曜日。
東京は、朝から季節はずれの雪が舞っていた。
曇天の下、多くの人が部屋の中から外を見ていたことだろう。
そう、コロナウィルスの蔓延に伴い先週末は、「外出自粛要請」が出た。
そして今も、「不要不急の外出」は控えるようにとのことだ。
私が大学を卒業し、働き始めたのは2012年の春。
新卒で入社してから3年間働いていた会社では、平日は営業車で地方を駆け回って、金曜日に浴びるように飲んで、土日は死んだように寝ていた。
今の会社に入ってからは、土日や深夜までかかるイベントなど、不規則に忙しい日々が続いていた。
それが今年は、2月頃から「イベントの実施は延期しましょうか…」となり、3月になると「このまま延期にしておいてもいつできるかわからないから中止に…」となり、会社の規模で言うと中小企業である弊社でも「明日から基本的に在宅勤務にする」とアナウンスがあったのが先週の半ば。
イベントが実施できないと、仕事量が半分ぐらいになるので、正直に言おう…
「暇だ」
決してやることがないわけではない。
毎日メールはくるし、オンラインでミーティングもある。
けれど、大きなゴール(私の場合はイベント)に向かって遂行していく事案が特にない。
今まで目を通したことのない資料を端から端まで読み、「ああ、そうだったのか」と新たな気づきがあるのはいいことだし、自分が作成した提案資料を見直し、ブラッシュアップができるのもいいことだ。
そして、一つ一つのメールにも丁寧に返信ができるし、アシスタントさんに丁寧な指示もできる。
それでもやはり…
「暇だ」
何事にもじっくりと取り組める時間、今まではのどから手が出るほど欲していた。
「あぁ、もう時間がない!エイっ!」
「なんとかなるだろう。ヤアっ!」
の繰り返しだったのだから、この時間をかみしめねばならない。
飲食がかかわるイベントが仕事の一部である私は、この先に不安がないかといったらそんなことはない。
けれど今は、世界に目を向けて、日本に目を向けて、じっくりと先を見据える時期なのだ、と思うようにしている。
また否が応でもエイっ!ヤアっ!と仕事をする日が来るのだから。